A Fine Violin by
Giuseppe Pedrazzini
[Milano; 1879-1957]
ジュゼッペ・ペドラッツィーニ(ペドラツィーニ)

Giuseppe Pedrazzini

現代において最も高く評価されているモダン・イタリアンのヴァイオリン製作者の一人で、ミラノ・スクールを代表する重要なメーカーに数えられる。殆ど独学でヴァイオリン製作を学んだが、天性のセンスで独創性に富んだ魅力的な作品を製作した。

クレモナ(Cremona)の木工職人の家庭に生まれたペドラッツィーニは、幼少より木工技術に親しみ、それが後のヴァイオリン製作技術の礎となった。1903年、ミラノ(Milano)に移住、ロメオ・アントニアッツィ(Romeo Antoniazzi, 1862-1925)の助言を得ながらヴァイオリン製作を学び、やがて独立。1920年ローマ(Roma)や1937年クレモナの製作コンクールおよび展示会で金メダルを獲得するなど、その作品は高く評価されてきた。ペドラッツィーニは、主にアントニオ・ストラディヴァリ(Antonio Stradivari, 1644-1737)、ジョヴァンニ・バティスタ・グァダニーニ(ガダニーニ、Giovanni Battista Guadagnini, 1711-1786)、ニコロ・アマティ(Nicolò Amati, 1596-1684)などに着想を得た、様々なモデルを製作した。弟子や共同製作者にフェルディナンド・ガリンベルティ(Ferdinando Garimberti, 1894-1982)、ピエロ・パッラヴィチーニ(パラヴィチーニ、Piero Parravicini, 1889-1957)、甥のナターレ・ノヴェッリ(Natale Novelli, 1908-1981)等がいる。

ペドラッツィーニの作品からは、常に力強く大胆な意思が感じ取れる。そこにはロメオ・アントニアッツィの明確な影響がありながら、ペドラッツィーニ自身のオリジナリティに溢れており、全体のパターン、エッジワークやスクロール等細部の造形、ニスの風合い、いずれをとって見てもすぐにペドラッツィーニの作品であることがわかるほどに独創的である。演奏時にもまた個性的な引き出しが豊富で、長く付き合っても飽きの来ない、現代に至るまで人気のある製作者の一人である。

ここで紹介するジュゼッペ・ペドラッツィーニの作品は、その個性的な作風が典型的に現れている魅力に溢れた一挺である。彫刻作品のような独特の男性的な造形は、まさにペドラッツィーニの面目躍如と言える。ペドラッツィーニによる作品の中では比較的オーソドックスなパターンで製作され、スラブカットの美しい裏板と深い色のニスが強い印象をもたらしている。力強い鳴りと豊富な音色のパレットは、奏者の音楽的探究心を満足させることだろう。

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